【櫻歌ミコ】 蝸牛 【オリジナル】
「蝸牛」
力を孕んだまま落ちてくる空と
ピンヒールの下の左回りの星とのあいだ
けどそんなに単純ではなく
ガウス差いなす夕刻の風景画
MBの亡霊が
行間を読みとばす程度に
やさしさを気まぐれたくもなる
ぼくたちは力強く
それなりにふさわしく歩く道
歩く道壊れながら
のしかかるこの身体
悲しみに似た身体
心を擦り剥いて泣いている
あの人のうえ月が降る
その音に瞼で聴き入ると
耳の奥に夜が灯るよ
だから通過電車待つ天空橋
風で揺れる車両でさえ
ぬるい宇宙を浮かべたプールみたく眠たい
ぼくたちは力強く
それなりにふさわしく歩く道
歩く道壊れながら
ふさわしくも歩く道
それなりに笑いながら
コメント0
関連動画0
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想