雪解け間近の湖をただ　渡り歩くように
貴方の預けた優しさが故に　揺れ惑うばかり

あの交差点のシグナルがまだ　青く灯る前に
無慈悲な指が伸ばす　対岸の貴方

あたしが生きる世界より
貴方がくれた言葉より
あの日の絵本の中には　そう
今より現実(いま)があったでしょう

そっと…

あの空を抱いて　この雪を包んで
これ以上ない程の温もりを
どうか失くさないで　蝋燭(ひ)を消さないで
その先に貴方を捜すから

だから
あたしに恋のフリをさせて


開けた窓から踏み入れる　小さな風のように
鼻をかすめる煙草の香りに　貴方を捜すばかり

幼い頃の記憶より
悲しいだけの昨日より
未来の日記の中には　ねぇ
幸せの日を描いているわ

きっと…

あの風を届けて　この冬を越えて
これからのふたりへ幸せを
どうか隠さないで　見失わないで
その先に貴方を見つけるから

嗚呼　明日を抱いて　この夢を包んで
これ以上ない愛へ暖もりを
どうかさまさないで　愛情(ひ)を消さないで
その先に貴方を捜すから

だから
あたしに恋のフリをさせて