S
透明なその感性を
粉にして飲めるのなら

退屈なこんな歌でも
命が宿るのかな

A
妬ましいあの子の声
清く響いて空に溶けていく

これでも努力したの
見上げるばかりで首が凝りそうね

B
空き瓶のなかにあの子を詰めて
私のものにしてしまいましょう

S
透明なその歌声
密閉した空気を吸えば

耳障りなこんな声でも
誰かに届くのかな

A
羨ましいあのフレーズ
感覚だけを空に書いていく

私の表現なんて
子供のラクガキなにか足りないの

B
瓶の底溜まるあの子の涙
私のものにしてしまいましょう

S
透明なその筆才(ひっさい)を
塩分ごと飲み干したら

ありふれたこんな歌詞でも
景色が浮かぶのかな

C
欲しいもの全部
手に入れたでしょう？
だから私に奪われたって
仕方がないと思わない？

S
透明なその感性を
粉にして飲めるのなら

退屈なこんな歌でも
命が宿るのかな

透明なあの子の目を
口、髪も白い指さえ

その全てを手に入れたら
特別になれるのかな


ひらがな

とうめいなそのかんせいを
こなにしてのめるのなら

たいくつなこんなうたでも
いのちがやどるのかな

ねたましいあのこのこえ
きよくひびいてそらにとけていく

これでもどりょくしたの
みあげるばかりでくびがこりそうね

あきびんのなかにあのこをつめて
わたしのものにしてしまいましょう

とうめいなそのうたごえ
みっぺいしたくうきをすえば

みみざわりなこんなこえでも
だれかにとどくのかな

うらやましいあのフレーズ
かんかくだけをそらにかいていく

わたしのひょうげんなんて
こどものらくがきなにかたりないの

びんのそこたまるあのこのなみだ
わたしのものにしてしまいましょう

とうめいなそのひっさいを
えんぶんごとのみほしたら

ありふれたこんなかしでも
けしきがうかぶのかな

ほしいものぜんぶ
てにいれたでしょう？
だからわたしにうばわれたって
しかたがないとおもわない？

とうめいなそのかんせいを
こなにしてのめるのなら

たいくつなこんなうたでも
いのちがやどるのかな

とうめいなあのこのめを
くちかみもしろいゆびさえ

そのすべてをてにいれたら
とくべつになれるのかな