目を覚ました 軋む体 起こし
白一面 病室の窓枠 外は雪
確か昨日死にたくなるくらい
晴れ渡る空だったのに
こんな広い世界の中で幸せ一つ
見つける事すら出来なかったけれど
「この先もずっと生きろ!」
差し出された小さなスノードーム
同じ病室の君が心温める
ガラスの中の小さな世界
ここならきっと私の居場所が見つかる
少年は笑う「君が羨ましい
もっと広い世界を望てみたい
僕の視てる世界は白と黒
たった二色 生まれた時からさもう慣れた」
いつも通り笑って言う君は
どこか悲しそうだった
丸めた紙を覗いて見てるようなもの
それくらい狭い世界で生きてる
それなのに前を向いて
手のひらで光るスノードーム
キャロルの音に合わせて粉雪が舞った
弱さを見せなかった君が
誰にも聞こえないように嗚咽を漏らした
「もしも僕の目が見えなくなっても
ずっと隣で同じ景色を」
闇の中にいた私を救ってくれたから
ねぇ 君の事も助けたいよ!
綺麗な世界を君と
戻って来た君は包帯を
目に目一杯巻きつけて不安そうだけど
次にその瞳がこの世界
映す時は雪の色が"白"と判るように
「どうかこの先の彼が見る夢が
たくさんの色で溢れますように」
そして運命のその日が来たんだ
とある街の小さな奇跡
見つめる先には…
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