ajisai
今更と言われても、わからなくなるんだ
おどけたふりで見過ごした君の救難信号
思い出しては最終電車に揺られてる
過ぎ行くガラス越しのノンフィクション
降りしきる雨の中で君は咲かない花に目を落とした
さよならの代わりに揺れる影
また少し強くなる雨は
僕の声も吐息も掻き消して
嘘みたいに流れる涙は
また僕を月夜に惑わすの
移り気に跳ねた雫は足元を濡らし
擦り合わせた手の温度を少しづつ奪う
今でも僕は目を伏せ息を止めているのに
心根を空ろに吐き出すのに
揺れる水面に浮かんだ君の心を僕は抱き寄せた
さよならの代わりに揺れる影
また少し強くなる雨は
消え去ったはずの僕がまだここで
馬鹿みたいに誰かを待ってるみたいだ
さよならも言えずに揺れる影
また少し強くなる雨は
僕の声も吐息も涙に変えて
不意に香る紫陽花に
また気取られて震える肩、沈みゆく声を
灰色の空を彩るようにポツリと落ちた雫は
耳の奥で鳴りやまない
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