暮れ泥む空を見上げ 思い出している
隣にいる君の名前 僕は誰だっけ?
美しい瞳 口元は緩んでいて
「幸せだね」って笑いかけてくれたんだ
ゆらり揺らぐ迷子の心 透過して
風に抗う行路を紡ぐ証拠となる
茹だる夏の欠片を追っていく
二人逸れないように
君の手はとても細く白い
まるで師走のよう
染まる茜の空を覚えている
涙が止まらなくて
他の未来を知ってんならさ
そこへの征き方 教えてよ
泡ぶくのように溢れては消えゆく
言葉や想い 瓶に詰めた水中花
二人だけの国 幸せは半分こ
向こう見える黒い雲 目を背け逃避行
「君の顔に花が咲くなら それでいいはずだった」
暗む夏夜の影が追ってくる
二人離れないように
恥多き生涯 唯一の光
手の中に
螢みたいに夜を照らしていく
朧な意識のまま
君は「今」をどう思ってんの?
そんなの聞けるわけないけれど
もうすぐ時間だ
車輪は廻りゆく
燃ゆる星に願いを
茹だる夏の欠片を追っていく
二人逸れないように
君の手はとても細く白い
まるで師走のよう
染まる茜よ 待って 消えないで
もう少し顔見せて
君を呼ぶ声が木霊して
心触れた 刹那
「まるで心臓が動いたみたい!」
って二人 泣き笑い 透けていく
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