今日はなんだか、いつもより少しだけ嬉しいことがありました。

朝からしとしと雨。打ち合わせの合間、ちょっと時間が空いたので、近所のパン屋さんに寄ってみました。
そのお店は、数年前からよく通っている小さなベーカリー。大きな窓から見える雨粒と、店内に流れるやさしい音楽が、なんとも心地よくて。

あたたかいコーヒーと焼きたてのクロワッサンをトレーにのせて、窓際の席に。
ふと隣を見ると、小さな女の子とお母さんが並んで座っていました。

「これ、パパにおみやげにするの!」
と元気に話しているその子は、まだ3歳くらい。
チョコのパンを両手で大事そうに抱えていて、なんだかその姿が愛おしくて。

僕がほほえましく眺めていると、目が合ったその子が、パンをひょいっと差し出してきました。
「これ、おにいさんにもあげる!」

お母さんが「ごめんなさいね、恥ずかしくないの〜」と笑いながら謝っていたけれど、なんだかその無邪気さに心がふわっとほどけて、
「ありがとう、でも今日は自分のパンもあるから大丈夫だよ。お父さんにもちゃんと渡してね」
と、少し照れながらお返ししました。

エンジニアという仕事は、1日中パソコンに向かって黙々と過ごすことも多くて、気づけば誰とも話していない日だってある。
でも、こうして思いがけず誰かと笑顔を交わせる時間があると、「ああ、今日もいい日だったな」と思えます。

パンは相変わらずおいしくて、雨も相変わらず降っていたけれど、
なんだか心の中は、ぽかぽかと晴れていました。

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【太治奨揮】雨の日のパン屋さんでの出会い

太治奨揮の平凡な日常。

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投稿日:2025/06/04 09:43:10

文字数:644文字

カテゴリ:その他

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