チョコレートが

溶けはじめてしまう

あの甘さは中毒にすら

思えてしまう

まず唾液と混ざり

苦みが生まれる、

"新世界"みたいに、だ

運動場は、3月とは

感じられない

まるで夏の陽光のようだ

綸からの崇拝メール、

正直土屋様は

うざかったから、

チョコをわざとおとし、

サディスティックに

微笑みを浮かべ宇宙を

見上げた、

宇宙をみあげた

土屋様の髪をながす、

"風"という名のものは

消えた

新世界、なんだからね

と、倒れている少年が

言ったかもしれないが

その少年の目前に

土屋様のお姿は

もう消えていた、

陽光も消えた、星が降る

19時、犬持だけが

カラフルな嘔吐物に

汚れ、のたうちまわっていた