夢をみたんだ。
暗い部屋の中、ベッドで寝ている僕の横で、河童が寝ていたんだ。
河童と僕は、向かい合って寝ていた。
河童はまるで、僕の恋人(事が終わった)かのようにスヤスヤと寝ていた。
蛙のようなヌルヌルした緑の皮膚に、鳥のように硬そうな、そして薄汚い黄色い口ばし。口は半開きで、そこから漏れる息はまるでドブのようだった。そういえば、まつげもあった。まつげは人間と一緒だったかな。それから、河童の手が河童の胸元にあった。見えにくい角度ではあったけど、手にはちゃんと水かきがあった。河童の手は顔や首の皮膚と違って、ワニの皮のように少し硬そうだった。
河童はドブの息をしながら寝言を言った。
「かえるを一匹たべましたー。うめやいなー。」
河童が寝言を言い終わった瞬間、僕が瞬きをした瞬間、ぱっと僕のベッドから河童がいなくなった。突然のことだったから驚いたけど、おかげでさっきのことは夢だったんだと(無理やりだけど)思うことができた。時計をみると、午前3時ごろだった。
それから僕は、洗面所に向かった。
暗い部屋に明かりを灯し、顔を洗って、鏡を見ると僕の情けない顔があった。
タオルで顔を拭くと、タオルからドブ臭い匂いがした。
まさかとは思うけれど、河童がどこかにいるのだろうか?河童がタオルを使った?
僕は自分のベッドに戻り匂いをかいでみた。ドブ臭くなかった。
とりあえず、家の部屋すべて覗いてみた。家族が布団に包まれている姿しかなかった。
ベッドで寝るのは少し抵抗があったから、ネットでもしてようと思った。
毛布に包まりながら、僕はパソコンを起動させた。
翌朝(といってもその日の朝だが)、インターネットのページを開きながら僕はうっかり寝てしまったらしい、電源をつけたままのデスクで僕は起床した。
朝食の匂いがしたから、リビングにむかうと食卓には蛙の丸焼きが大皿に並んでいた。
「おはようごさいます。」
河童がエプロンをつけて台所で料理をしてる姿があった。
「へ?」
「あなた、どうしたの?」
「へ?」
「顔でも洗ってきたら?」
鏡を見ると河童の顔をした僕がいた。
テレビをつけると僕の家族が指名手配犯としてニュースにでていた。
そこには僕の写真も載っていた。
「人間がこの世界にいるなんてね。」
河童はそういってドブ臭いにおいのまま僕にキスをした。
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