やさしい森とティラコレオ

morlbon

ふわり木漏れ日がゆれる
朝の訪れを告げる
天井裏の渡り鳥
くるり軽やかに踊る

窓の外アセビの木には
フクロウが笑う
ほら背伸びして

ひらり風が僕の
頬をなでるサーカスがはじまる
絵本のような日々
僕もいたんだ

見えない蜘蛛の糸たどり
ここは青く暗い水辺
補色のサカナとカエルが
まるで猫の足のように

溶けていく吸い込まれていく
ぽつりぽつりと泥の雨が降る

ふやけた絵本はもう
次のページ失ってしまった
やさしい時間には戻れないのに

それは曖昧な過去
僕らがいた世界
やがて消える星屑のようには光れない

息をする
壊れたゆりかご
飛び散る宝物
叫ぶ声細く

かざすその手はほら
時の流れ少しだけ止めて
奇跡を起こすんだ
強い光が

絵本はここで終わり
カーテンコール誰もいない舞台
生きてる気がしただから笑うんだ

僕と歌おう