小説を書くためにネタを日々収集中の聖ナナです。
今回は「字脚」について、そして「アテコミの仕方」です。長文ですが、大事なことなのでついてきてくださいね!
前回、作詞は「出来るだけシンプルな言葉で、リズミカルにという意識を持つことが大事」と書きました。これを「字脚(じあし・じきゃく)」とプロの作詞家では呼ばれています。それを理解しつつ、メロディに同じ長さの言葉を入れていきます。
例えば、私の作った歌詞「36℃」からこのフレーズをば・・・。
「嘘めいている多くの言葉よりも証明できる態度がほしい・・・」
これの字脚は・・・、
「嘘めいている 多くの 言葉よりも 証明できる 態度が ほしい」
「7・4・6・8・4・3」です。「証明できる(しょうめいできる)」は、メロディによっては「しょ」で1つの発音として7になることもありますが、基本、促音(小さな「つ」・「や」・「ゆ」・「よ」)は1音として数えてください。最後の「・・・」は数に入れません。それでは、わかりやすく区切った言葉の後に「~ネ」を付けてみましょう。
「嘘めいてるネ、多くのネ、言葉よりもネ、証明できるネ、態度がネ、ほしいネ」
どうです?小さな子供の会話みたいになりましたが、字脚はある程度揃っているのがわかったかと・・・。この区切り方で正解です。
このように、字脚を知っているかで作詞がかなりレベルアップします。
この字脚がよくわかるのが・・・実は「演歌」なんです。何故なら、先に作詞をして、曲を付けていくスタイルが演歌では殆どだからです。このことを「詞先(しせん)」といいます。逆に出来上がった曲に歌詞をはめ込むことを「曲先(きょくせん)」または「アテコミ」と言います。こちらはポップスやロックに多いスタイルです。
※因みに、初心者の作詞家志望の方は詞先の方が多いみたいです。
ところで、作詞家の卵の9割以上がポップスやロック、ダンス系、最近はやりのミュージカル風(サウンドホライズンみたいな)の歌詞を好んで書く方です。また作曲家で歌詞を募集している人の90%も同じです。つまり曲に歌詞をパズルのようにハメコミしていく作業が必要になってきます。
メロディをまずは耳から身体から覚えて下さい。そして歌えるくらいにまで覚えて下さい。この作業がハメコミ作詞の基盤になるのでしっかりやってくださいね。「そんな余裕ないよ!」って言っているそこのアナタ!何もパソコンに向かって真剣になって覚えることはないんです。最近流行っている、某スピードラーニングみたいな感じでも音楽は聞き取れます。プレーヤーはリピート機能がありますから、音楽を流してるだけでもOKです。ほら、カラオケとかで友達が歌っているのを聴いているうちに覚えちゃったってことありません?それなんです。それが出来てこそハメコミ作詞がしやすくなるんです。そして無意識のうちにメロディを口ずさむようになったら作詞を始めてください。
何故、こう、口を酸っぱくしてまで言ったのか?それは、ハメコミ作詞の最大の特徴であり、最大の恐怖でもあるのですが、
「メロディにどんな言葉を入れてみてもメロディに乗ってしまうこと」。
それで良い歌詞だと錯覚してしまう罠が待っています。簡単に出来る作業だからこそ細心の注意を払ってほしいのです。
では、ハメコミ作詞の本格的な作業に入りますね。まずハメコミはどこからでも構いません。ビビビときたところから歌詞を埋めていって最終的に1つの曲を作ってください。一通り出来たら次は推敲(添削)です。ここでのポイントは、歌詞だけを1度曲無しで見直すこと。そうしたときに、意味がおかしかったり、字脚が曖昧だったりする所が出てくることがあります。より良い言葉に変えて歌詞をパワーアップさせてください。
実は、私は楽譜が読めないに近いです。じゃあハメコミ作詞は不利なんじゃない?・・・と思うでしょ?実は楽譜が読めない人の方が、より良い歌詞を書くという意味で有利なんです。たしかに楽譜は読めるに越したことはありませんが、頼りすぎると良い歌詞が書けなくなります。それと作詞をしている人は結構、歌が上手い人が多いです。これは歌を覚えるときに耳で聴いて声に出して歌う人が多いからと言われています。試験勉強でも、ただ黙々と書くだけじゃなく、言葉に出すことで、耳と目と手の3つの感覚で覚えられます。空気や水のような感覚で歌詞が作れたらもう言うことなしです。
次回は、「作詞家は多重人格がお好き!?」でお会いしましょう。
では、また次回! ^^ノシ
2015年版:聖ナナの素人でもわかる作詞講座~第8回~
今回は作詞の基本を見直したいと思います。
結構大事なことなので覚えておいてくださいね^^
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