とても可愛らしい黄色の双子がいました。
お転婆な王女と優しい王子。
2人は女王に大層可愛がられていました。

双子には姉がいました。
黒く美しい王女でした。
しかし黒の王女は女王からの愛を貰えません。
女王の言い付けをきちんと守ろうといつも頑張っていて、いつも微笑みを顔に張り付けて、なのに、愛されるのは黒の王女ではなく双子たち。
愛されずとも愛されていると
信じようとひたすらな姉を見て、
双子はいつも可哀想だと思っていました。

どうして姉様は母様に愛されないんだろう。

姉様はとても美しくて賢い方なのに。

いつも頑張っていらっしゃるのに。

いつもすごくお寂しそうだよ。

じゃあ私達で姉様を目一杯愛しましょう。そうすればきっと寂しくないわ。

双子は一生懸命頑張りました。
遊びに誘ったり、お花をプレゼントしたり、少し甘えてみたり。

けれど黒の王女は虚ろな笑みを浮かべるだけで心から喜んではくれませんでした。双子たちにはその笑みが、自分たちを拒絶するものに見えました。

双子はまた考えました。

やっぱり母様の愛が必要だわ。

同じ家族なのにこんなのはおかしいよ。

双子たちは女王に、どうして姉様のことを見てあげないの、と問い詰めました。
女王は何も答えられません。誤魔化そうとしても、双子は全く引きません。

とうとう耐えられなくなった双子は大声で泣き始め、女王はどうしたらよいかわかりませんでした。



その時、



「母様を困らせたわね?」


振り返る間もなく、双子は地に崩れ落ちました。
赤にまみれて。


「ほらみて母様、偉いでしょ?」

その声は双子が今まできいた中で一番楽しそうな声で。

そうか、姉様を一番不幸にしていたのは僕たちだったんだ。


薄れ行く意識のなか、双子が見たのは泣き叫ぶ女王と笑う姫。

双子は最期に願ったことは一つだけ。

ドウカ アナタガ 幸セニ ナレマスヨウニ

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  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

姫魔女スピンオフ妄想(双子の物語)

KEITO様のご意見と遠野音様のスピンオフ妄想を参考に双子のお話を書いてみました。これをベースにまた歌詞も書いてみようかと。

姫魔女の別人格とかの設定だとやっぱりややこしいので、双子にそのあたりの役割を担わせようかと。『姫魔女』の最後で姫を呼んだのは双子ということに。

双子をとても優しい子達にしてみました。双子は、姫魔女とは父親が違うとかを知らないのでただ無邪気。姫魔女の方は、双子のことを邪魔者にしか見ていません。女王の言い付けの手前笑っているだけです。

双子は最期に、自分たちが姉の幸せを奪っていたのだと感じて、死ぬ刹那に、自分たちの今までの幸せが姫にもやってくるよう、これからの姫の幸せを願いました。


こんな感じです。(*^^*)

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投稿日:2009/07/07 13:36:03

文字数:813文字

カテゴリ:その他

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