立方体の見取り図の線が歪んでいる
黒板の上の狭い壁と天井を線で結ぶ
扉のレールの向こうには鴉が飛んでいく
直方体をコピーアンドペーストで何処かへ連れてゆく

傷跡を忘れて
感情を忘れて

斜めに横切る線が少年の首を落とす
終礼のチャイムでみんな一斉に席を立つ
平行線に 垂直に 天井へと伸びる線に
みんな首を刎ねられてまるで教室はゲルニカ

忘れたままで

四角柱を結んで
狂いを残して
稚拙な水彩画をただ睨んで 睨んで
ありふれた言葉で綴った終わりは
もうすぐに忘れてしまうから

綺麗に化粧を施して
棺桶に釘打つように
油絵具を塗り続けた
こんな虚像だとしてもいいから
前に進みたかった

壊れたままで
ずっと

理想郷を失くして
悲鳴を殺して
稚拙な水彩画をまだ睨んで 睨んで
睨んで 睨んで 睨んで 睨んで
なんで なんで なんで

四角柱を結んで
狂いを残して
そんな稚拙な絵にまだ泣いて 泣いて
ありふれた言葉で終わらせないでね
もうすぐに忘れてしまっても

四角柱を結んで
四角柱を結んで

もうすぐに忘れてしまっても
空席を残しておいてよ