喰種　inst

午前零時酔いが廻って思考回路が停止
子供の輝いてた瞳に今何が写る？
現実ばかりみてため息付いて
少しだけ恋しくなっちゃって嘘ついた

薄暗い路地を抜けて足早に僕の寝床へ
くだらない事の繰り返し
いつもはじめからコンティニュー

本当は少しだけ口から零れた涙色
昔と今を測りにかけたら後悔してしまう

僕はわざと「愛して」を繰り返す
背伸びしたら嫌なもの見えた



どうせ存在は気づかない
死んでも悲しまない世界で
大声で荒らげて
歪んでく大好きなその顔が
嬉しくて嬉しくて
濡れてきそうなゾクゾク感が
笑顔でちぎった君の手


夢も過去も
好きも嫌いも
全部ほおばって喰べた
愛しいと思いたいのに
たまらなく喰べたくなるのに
見つからない



少しずつ誰かに食べられていたんだ
大切な身体から抜けていく僕だけの君のモノ
何人も何人も僕は君を喰べたのに
消えて欲しくない事を望んだ。


僕には伝わらない記憶をのせて


まだ動けない動かない
変わらない場所で待ってる
僕だけ取り残された観覧車
揺れ落ちる
助からない震えてる
コマ送りになって
僕は
君と
痛みを御仕舞いにした。