大人になりたくないと叫んでいるうちはまだ大人だ
割り切りが済めば線引いて子供のように振る舞うことを知る

最愛を亡くした日は幼いけれど
存在が消える事を分別できない歳じゃなかった

たくさんの愛情を家族のようにくれた

世界で一番言葉を交わした
音にはならなかったけど
君は必ず返してくれたから
ふたりぼっちでもかまわなかった

まるで最初から物だったみたいに
温度がなくなった君を抱いた時
命の抜けたイレモノの軽さを知った
両手に沈むその冷たさが
どれだけ私に優しかったか
いなくなってからやっと気付いて
すごく後悔して
想像してたより辛くて
思ってたより苦しくて
やっぱり寂しくなった


ありがとうっていつも思ってたけど
伝えたことは一度もなくて
同じように在る時は二度とこないのに
言えないままになってしまって
かわりにごめんねばかりを一人で繰り返すことになった


悔しくて申し訳なくて情けなくてどうしようもなくて
すごく後悔した
今でもすごく後悔している

もっと大事にしてあげればよかったとか
してもらうばかりの私は
もっと幸せを考えてあげればよかったとか
もっと助けてあげればよかったとか
いくらでも思うけど
数えることができても何も叶わない
けれど死とはそういうものだと思う。
そういうかけがえの無いものを痛感させる事が人間が命を持つのに必要だとも思う。
そうあるべきなんだろうね。

だけどつらいよ。


いつでも逢えるから
いつまでも逢えると思っていたんだ
なんておこがましい勘違い
ずっと側に居る人なんて誰もいない
簡単に傷付けたりとかできるけど一生償っても足りない事がある
知っているつもりだったけど
所詮他人事だと思ってた

あと4時間半で帰ってくるから頑張りなさい、と母は言った。
それからきっちり4時間半後に泣き続けた彼女は静かになったと
飛び込んだ部屋で
一番最初に母に聞かされた

あの時の母の私を見る眼が忘れられない
責めることも忘れることも許さない目で
侮蔑にも同情にも似た視線が刺さった

どういう意味で
どういう意思で言ったのか
今でもわからないけれど

あの帰り道をあと1分でも走っていたら
君の最期の言葉を聞くことができたのだろうか。




“あなたがわるい
わたしをあまやかすから”

なんて酷い言葉を吐いたんだろう
どうしてあんなことを言ってしまったんだろう

浅はかで愚かで馬鹿な世間知らずの餓鬼だった
恩も義理も、知らないでは済まされない

それでも君は
私を叱りもしないまま逝ってしまった

どうして。
どうして。
つらいよ。



最期まで苦しんだ君の眼は
涙が渇いて充血したまま固まっていた
痩せ細って小さくなって死んでいた
昔はおんなじ大きさだった手は
いつの間にか君だけが小さくて
握れば簡単に包めてしまった
眼を背けたくなるほど
ひどくやつれて疲れた身体をしていた



悼むこともできないで
人目も気にせず泣きわめいた



これからずっと
背負って生きていくんだと思った
今更掘り返して
痕を抉られたって
この苦しみは自業自得なんだ




内面に閉じた棘の中で
何事も無かったかのように笑顔を作ればそれでいい

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

ネガティブサイク

長いです‥
もはや歌詞でもなんでもないや。
途中までなら生き物以外の無機物にも当てはまるように書きました。
実体験を軸にしてます。
小説でもないのでその他に‥。
使って頂ける方がいましたら
ご自由にどうぞ。

閲覧数:114

投稿日:2010/06/09 10:50:41

文字数:1,342文字

カテゴリ:その他

クリップボードにコピーしました