「薄汚れた月が僕を照らす夜道」
栞を挟む間もなく捨てられた 小説
「君は1人じゃない」ありふれた台詞なんて
もう入る隙間もないくらいに
締め付けられた心が迷いを隠せぬほど
音も鳴らさず響き渡る
誰も知る術もなく揺れる
あの日もし信じることができていたら
違ってたのかな
そんな空想を捨てたくて
1人歩く夜の街
あと少し残った素直な気持ち
それももういらないから
僕はまた強く生きてくよ
誰もいない明日へと息を潜め
去りゆく人は皆 どこか予想通りで
また一つ不安が自信をつけていく
通り雨に流される船の上で眺める星
綺麗だね 余裕を見せるように
震えた声でそっと笑う
あの日もし君じゃない誰かがいたら
変わってたのかな
何もない次の1ページに
都合良く話が進みだす
ただ1人行く先を示してくれる
それだけでいいのに
それだけが手に入らないよ
誰もいない明日へと足を進める
もしもだらけの感想文じゃなくて
本当に伝えたかったたった一つの感情を君へ
流れ星 出会い別れを繰り返し
瘡蓋だらけの
その心を優しい手で
そっと守ってくれた人
ただ1人受け止めてくれた
それだけでもう嬉しいから
僕らまた強く生きてくよ
行こうまだ見ぬ明日へと続く方へ
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