赤月の城に住まいし女王
作詞:くるいじに
作曲:ひいらぎ
冷たい夜空に よく映える
青い惑星 見上げて 心ざわめく
陽が沈み 地球(テラ)昇る 幕を上ぐるは仮面舞踏会(マスカレイド)
楽隊は 心得て 今宵の主題を投げかける
この地にて 踊るるは 魑魅魍魎と 虚無の主達(ぬしら)
我(わ)を忘れ 愉悦に入(い)り 刻を刻むは大時計
廻れ廻れ独楽(こま)の如く
高貴なお方の永遠(とわ)なる退屈を慰めんがために
今 女王がお見えだ お美しき方
優雅な面影に時折影が差す 未だ知らざれざる胸の内
豪奢な料理 高価な葡萄酒 気だるげに口に運びため息をつかれる
まなざしは眼下 舞踏場(ダンスホール) その先の遥か――。
社交辞令に権謀術策
妄言虚妄が飛び交う中
赤い月の女王は上辺(うわべ)に微笑み
臣下の心を蕩けさせ
孤独なる生い立ち 無聊をかこつ生き様
そを癒すは過去ただ一度きりの――。
陽が墜ちる 地球(テラ)昇る
禁じられし感情(あい)を育みしその大地
遥か遠く 時の彼方
胸を掻き立てるは 拙き想い
決して交わらないはずの平行線が
かつて一度だけ交差してしまったのだから――
それが愛だと誰が知ろうか 赤い月の支配者が心溶かすなど 想像ですら大罪に価する
「人類という種(ホモサピエンス)」の命儚く
忘却し得ない永遠の瑕 無垢への刑罰が如く心軋ませる
兄弟星に向けた 何気ない一瞥の奥
その瞳 僅かに湿っていたとしても 気づく者など居るまい
孤高なる美貌を翳らせ 誰(た)が為に流す
宝石のようなその涙 生涯にただ一粒 頬に輝いて
赤い月の 湖で 酔いどれウサギが溺れてる
物想いの淵 女王様は愚かなウサギを愛でるのさ
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今までとはちょっと趣向の違った曲にしてみました。
赤い月の城に住まう女王様のお話の歌です。
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