言葉になれよ


言いたいことは積もり積もるのに蓋は一向に開く気配なし
噴水のように溢れ出ないから何度もこじ開ける日々
壮大な意味が枯れ果てて　残った命の背中を押す日々へ

伝えたいことが山ほどあるのに歌は一端をなぞるばかりだし
使い古された音を繋ぎながらなんとか生き延びる日々
広大な場所の片隅で　迷ったふりをして貴女を探し回りながら
確かここだったなんて　見当違いな暗闇をかき分けている

暮れていく街並みの陰と陽を
忘れられない
触れていたい貴女に
会いたいがために曲を書くのだ

言葉になれよ　言葉になれよ
頼むから言葉になってくれよ
貴女のために意志を叩いて僕は今　日々を描いている
言葉になれよ　言葉になれよ
明日を繫ぎ止めさせてくれよ
会いたいことを　会いたいと思う心を消さないでくれよ

言いたいことが言えないもんだから不甲斐ない僕を知るばかりだし
本当はただ好きなだけなのに嘘を表情に刺す　馬鹿だ
膨大な気持ちばかりを持て余していながら　方向性を間違えて音を鳴らしている僕は
今も間違えたまま息を吸う　喧騒の中　紛れていく

揺れている心　波　いつもこうだ
伝えられない
過ぎていく貴女から
僕を消したくはないと思うから

大人になれよ　大人になれよ
頼むから大人になってくれよ
貴女のそばで心を睹して僕はまだ息をしている
そこにいるなら　答えろ人生
明日を僕に歩かせてくれよ
会えないことを　いつか会えなくなることを忘れさせてくれよ

明日が来たらまた話せるし
顔を合わせて笑えると思う
そんな些細なことに心が
喜ぶ日々を貴女がくれたの
何もいらない　何も欲しくない
貴女さえいればもうそれでいい
簡単なんだ　単純なんだ
こんな簡単で単純なことなのに

言えない

言葉になれば　明日になれば
全てうまくいくとは思わない
辛くもなるし　すれ違うだろう
やがて潰えていくのが僕らだ
それでもいいと　思えることが
どれだけ幸せなことか僕は
やっと、わかった気がしたんだ

言葉になれよ　言葉になれよ
頼むから言葉になってみせろ
貴女のために意志を叩いて僕は今　日々を描いている
大人になれよ　大人になれよ
貴女のために大人になれ馬鹿
会えないことを　いつか会えなくなることを忘れられなくても

会いたいことを　会いたいと思う心よ　消えないでくれよ

言いたいことが重なり合って日々を描く意味が出来ているから
言えないことも抱えたままで　どうか