雪は宵々 還りに募り 幾重の白死を埋めてゆく
彼等が綴った喪の語りを 残さず引き摺り連れてゆく
ふわり ふわりと、その遺志は 一時の"if"として消えるけど
幸や滾々 鮮やかに舞い 夜空を死塚に埋めてゆく
流れた祈血の琥珀色が 生きてた証を示すやうに
くるり くるりと、繰り返す 戦慄を畏怖として刻み込め
来世と前世を繋ぐ道しるべ
調律せし我が手の下 流転に咲け
虚像に魅せられた世界の余白に
縋る意味など 現世にはない
忘却の果てに移ろいし 真実の手の鳴る方へ
千年桜に纏わりし 複縦線を跨ぐ
ゆらり ゆらりと、猶予うは 一時の"if"としての安楽か
夢幻の持続音は やがて不協和を
楼閣より導かれし 反響する
幽玄の日と成りし 世界の余白に
縋る意味など 無いはずだけど――
残念無念の夜光虫 鈴音に誘われ落ちてゆく
千年桜を祀ろいて 永久の耀きと成れ
これは長い長い時間のお話
何度でも繰り返し 手向ける蓮華
囚われの姫君に贈るこの詩節を
寂しくないように また、届けに…行くよ
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