汚れた小さなアトリエに　失くしたばかりの2人は住んでいる
分け合えるもの探し出すように　闇雲に手を汚した
「誰とも歩幅が合わないの」頑迷になるばかりのあなたは
ひどく綺麗な水彩の長い長い雨の予報だ

明日もきっと 共謀者でいよう 零す涙の 色は違っていい
指が触れても 混ざらない2つを繋いだ 憂いは青い雨

あなたは陽気な嘘を描いて 私はそれを不器用に真似するの
朝焼け空に 見つかるまで笑って　くたばって 眠りにつくのだろう

アーモンド 雨を降らした朝から 埋んだ熾は窶れて
散らかった部屋も輪郭はいずれ融けて 憂いも 朧気な海へと消えるように
飲み込んでしまった 言葉で塞いで歪んだままの 心でいい
人知れず 乾かない瞳に映した景色を見せておくれ

エスキースの中で夢を見ていた 人に言えない 恥ずかしい夢
今なら少し話せるかな どうか笑わないで
明日のことなんてわからないんだ 互いの痛みもきっとそうだ
私と違うあなたで良かったと 強く思うんだ
薄めすぎた絵の具と筆で描いた 曖昧な線の2人は動き出して
この手は離さないよ 心2つ分け合えずとも黴臭いアトリエの 片隅に

「誰とも歩幅が合わないの」　それすら無性に美しく映るから
描き残しておくんだ

明日もきっと 共謀者でいよう　望む世界の色は違っていい
胸の奥 燻る熄を揺すった 無慈悲な青い雨
少しずつ 目を開いて 見つめられるように
2人を繋いだ 憂いは青い雨

エスキースの中で夢を見ていた 人に言えない 恥ずかしい夢
嘗ての自分が私に問う 「今も大事にしているかい？」
積み重なっては壊れてくんだ
手垢で濁した筆跡も悪くないと 言える日が来るだろうか