「Hide-run-sheer」
(1A)
心地のいい近さで
そっと目くばせする笑顔は
少しだけ鈍い高鳴りと
高くなる空を連れて来る
(1B)
張り詰めた壁が崩れる音には
気付かないままでいい
無垢な眼差しを 隣で
静かに見守れるのなら
(1S)
この胸が揺らぐ気がしたのは
涼風(すずかぜ)が運んだ感傷
舞い落ちる木の葉の行く末よりも
不確かで淡い”気の所為”
(1S')
触れられない指先で紡ぐ
静寂にも似た言葉は
幾つもの夜に蒼く降り積もる
薄氷に冴える Hide-run-sheer
(2A)
透き通る音に乗せ
不意に向けられた優しさに
抑え切れない戸惑いは
白い頬に触れた刹那 香る
(2B)
張り詰める息が崩れる瞬間(とき)には
気付かないままでいい
穏やかな眼差しを ただ
傍らで守れるのなら
(2S)
この想いが本物だとしても ずっと
鍵をかけたままでいよう
柔らかいその声が遠ざかるより
痛みはきっと小さいから
(2S')
触れられない指先で紡ぐ
静寂にも似た言葉は
幾つもの夜に蒼く降り積もる
薄氷に冴える Hide-run-sheer
暁の向こう 沈めて
00:00 / 05:04
ご意見・ご感想