「酸化」

愛されてたい
ただそれだけでいいのに……


昔のことなど忘れて踊りましょ
お互いもう何にもないから
だからまた戻ってきたのでしょう？
ああ そうそう 大丈夫
あなただけずっと見つめたげるから

絡みついた赤い糸
腐りきっても切れやしない
いつしか酸化してって黒く染った
ねえ この鎖は誰のせいで弱く錆びたの

今更どうにも思ってないのに
こういう時だけ都合がよくてさ
恋の仮面を被り上目遣い
君また泣いて呆れちゃうわ
欲求まみれの
そう私だけのものなのに


あなたが好きだと言った明くる日は
君はもう眼中になかった
だけどまだ気づいてないでしょ？
君は自分勝手だから

ダメだよ
決して振り返らないで
夢がさめちゃう
もっとこっちにおいで
さあ 君の肌を熱く焼いたうしろの正面

無邪気ないつもの笑顔浮かべて
お遊戯楽しみシアワセですか
愛の契を破り捨てたのは
君ではなくて私の方
アイされたらいいの
ただそれだけで……


祈りも届かないまま
あなたの心は爛れていく
哀に満ちた君の顔 笑えてしまう
騙されたくないなら
信じないで私の目を


あなたは涙目で 鎖 切り裂き
パラパラと深紅舞い落ちる
離れどこの手を縛り付けるから
蜘蛛の糸すらも垂らせない
「楽しかったわ
それではごきげんよう」