scene#07
地蔵の前。しゃがんだユウの背中。よれよれのTシャツに汗のしみが出来ている。
ユウ、ゆっくり背後に立つナオの方を向く。
ユウ「ん?」
ナオ ナレ「これがボクとユウの出会いだった。」
ユウ、また下を向く。ナオ視線のカメラが、そのユウの見ているものを
のぞき込むようにズーム。
蝉の死骸にアリがたかっている。アリが蝉の羽根や足を巣に運んでいく。
ナオ「。。かわいそうに。。。」
ユウ、のぞき込んでるナオに振り返り
ユウ「なななんんで?」
ナオ「だって。。。セミ食べられてる。」
ユウ、また蝉とアリを見つめて、また振り返り、
ユウ「あははは。お、おお、おにいいちゃん。な、ななに言ってんん。」
ナオ「え?」
ユウ「ああああり、はな。せせせみみを、てててんごくに、運んっでってんねんで。」
ユウ「ちちちっちゃいから、、す、すすこしずつしか、は、運ばれんけど。
い、いいいっしょうけんめい、はは運んでんね。」
ナオ「ああ。。。」
ユウ「せ、せ、せみは、じじじぶんでは、も、もう動かれへへんから。」
ナオ「そっか。。。そうなんだ。。。」
ユウ、また下を向き、じっと見つめている。
ユウ「だだ、だから、こっこっこのアリはたたった食べない。ええアリさんややっっやから。」
ナオ「え?た、食べるって・・」
ユウ「ああ、あありは、むむ虫やないから、た、食べてエエねん。。。うん。。。」
ナオ、同じようにしゃがみ込み、ジロを埋めた辺りの地面を撫でる。
ナオ「おまえも、だれか天国に連れってくれたかな。。。」
Yシャツの胸ポケットにさしていた花をそこに置き、手を合わせる。
ユウ「そっそそこに、なんか、おお、おるんか?」
ナオ「。。。ボクの友達が眠ってん。」
ユウ、キョロキョロ見回し、
ユウ「だ。だ。誰も。おおおらんぞ。。」
ナオ「この下で。。。」
ナオ、砂を掴んで、さらさらと落とす。
ユウ、不思議そうに、落ちる砂を見つめている。突然、なにか思い出したように
ユウ「ああああ、あああああ、」
ナオ「え?え?」
ユウ、辺りの地面をバンバン叩き回し始める。
ナオ「なに? ど、どうしたん?なにしてん?」
ユウ「そそそ、そ外で、ね、寝たらああああかんんねん。。。おお、おお起こしたらな。
そ、そ外で寝たら、な、ななんか、っっっっかぜ、風邪っひひひいて、ねねねつでんねん。」
ユウ、必死に叩き続ける。
ユウ「ねねね、熱出るとな、かっかっからだ、あつうて、さ、さむうて、し,しんどいねんで。」
ナオ、ユウの腕をつかんでやめさせようとする。
ナオ「ええんや。寝かせといたって。。。もうエエんや。」
ユウ「な、なななんでなん?あかんっっっって、、あああ、あっかんって。」
ナオ「あのセミと一緒で、もう動けへんねん。ありがとうな。」
ユウ「っで、っで、でも、あ、ああ、おねえちゃんが、あかんって。。。あ。」
ユウ、またキョロキョロ辺りを見回す。
ユウ「。。ああ、あれ?おお、おおねえちゃん。ど、どこ? 」
ナオ「え?誰?」
ユウ「あ、ああ、おにいちゃん、っだ、だ、誰?」
カメラ、青空へパン フェードアウト
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