ジャケット

融界に顰(ひそ)む昨夜(よべ)の儘
昏昏の水底(みなそこ)を果てと定めて
生きているだけで疲れて仕舞うわ
鼓動の音すら煩わしいな

弄言に転(まろ)ぶ日々でまだ
蟠り許り美しく思えて
錆びた羈絆も切り離せないわ
何時しか夢も忘れて仕舞った

「どうしたの?」
「どうもしないわ」
まだ泣いた儘、繰り返して瞬いて
患った言葉でただ
寫る景色を書き残した

ねぇ、君が笑ったように
私も上手く笑えているかな?
そんな思い出の残像じゃ
置き去りの心は満たされないんだ

風向きは変わって疾うに
一握の砂も散って仕舞った
救い許りの御伽話が
残酷で何時迄も悲しいわ

手繰れど其れは蜘蛛の糸
アンベシルに纏(まつ)わる奇怪な絵画
衒学で埋まる書簡を焼べて
世界を零からやり直そうか

混在の中で今もまだ
邂逅を厭(いと)い人混みに紛れて
さよならだけを覚えて仕舞うわ
何時迄も縋って馬鹿馬鹿しいな

「生きたいの?」
「生きたくないわ」
繰り返すのは、致死量にも満たない嘘
揶揄った言葉はただ
綴る意味すらも失くしていた

ねぇ、君が願ったように
世界は上手く回っているかな?
彼の日、見てた君の残像は
此の陳腐な言葉じゃ表せないな

ねぇ、君が笑ったように
私も上手く笑えているかな?
思い出せない儘でも良いわ
朽果てて仕舞うまで泣いていようか

狂おしく追った影法師
「馬鹿だね」とぽつり、君が笑った
そんな幻想を最期に見た
暗闇が何時迄も眩しいわ

置き去りで渇いた儘の心
傘で隠して湿らないように
生きているだけで疲れて仕舞うのは
君が居ないから

其れを愛と呼ぶ事が出来るのならば
どれほど楽だろうか
君なら笑えるかもね
暖かな陽溜りが悲しいわ

痛快、酷く陳腐な歌
緩やかに死んで征く言葉をどうぞ
私は私と切り離せないわ
今も消えたくて仕方がないわ

00:00 / 02:28

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

クレーエ/可不 off vocal

クレーエ/可不のoff vocalです。

閲覧数:370

投稿日:2022/10/08 17:01:18

長さ:02:28

ファイルサイズ:2.3MB

カテゴリ:ボカロ楽曲

クリップボードにコピーしました