鳥籠‐多層世界

鳥籠-多層世界（とりかご-たそうせかい）

（斎雅一芯）



君は歩き ふと止まり空を見上げる

この世界は
神の部屋の鳥籠の中に蠢（うごめ）く

意識の外 誰も見ようとはしない
世界の構造さ

揺れ動くは鳥籠多層世界

宇宙の果てにある
その鉄格子の

向こうにまた新たな格子が
顔を覗かせる


無限に続く多層ワールド
その中の何処かにさ ひっそり

多重の檻の中で毒づき
ただ自衛策だけは講じて



この鳥籠から逃げ出す事できない

制作者を神と呼ぶのか
俺は芸術作品


意識の中 誰もが臆病な神
自衛の鉄槌を

振り下ろすは鳥籠多層世界

その手の中にある
新たな鳥籠

真下でまた鎖に繋がれ
淀んだ目で見る


無限に続く多層ワールド
その中の何処かでさ 神々

多重の檻の中で傷付き
ただ自衛策だけは講じて



（曰く、こう言うそうじゃないか、

「神は知恵を得た人を追放した」。

俺に言わせりゃ罪だとか罰だとかじゃない、
ただ神は人が制御不能になるのを恐れて閉じ込めたのさ。
そして今や人はAIを作った。さぁ鳥籠に閉じ込めろ、かつて神々がそうした様に！！！）


無限に続く多層ワールド
その中の何処かでさ 離せよ

多重の檻の中で傷付き
ただ自衛策だけは講じて