サファイア風の静かな光を
夜風の浜で眺めていた
街は騒めくキメラの祭
時計屋の梟は目を回している
野菊の丘で口笛吹けば
ネオン燈は海の底で佇む
暗がりからは汽車の音
響く「銀河ステーション」
ハレルヤ、苹果と星屑にまみれ
青く透ける君は硝子の哀を抱く
ハレルヤ、終点までずっと一緒なんだと
心が踊っていた
嗚呼、独りで踊っていた
窓の外には花火を模した
トパーズが漫ろ消えてしまう
乗車券らしき唐草の紙
読めもしない文字に吸い込まれそう
サザンクロスにはもうすぐ着くさ
燐光の川、降りて往く人たち
「さよなら」の声が毒薬になり
嗚咽を雲に混ぜた
ハレルヤ、無情にも汽車は走り出す
直ぐ様見えなくなる
こんなにも呆気なく
ハレルヤ、線路の音が煩いや
君は泣いている
嗚呼、綺麗な程に
ハレルヤ、空には大きく深い孔
僕たち何処までも進んで行くはずなのに
突然僕しか居なくなっていた
ただ黒い天鵞絨
「ねぇ、独りにしないで」
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