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歌姫の少女【連作戯曲】

ある国の、歌姫の物語。


「歌姫の少女」

それは、月の欠けた夜でした


外の世界で 野良犬のように生きても
君のコト 忘れないよ 約束したから

辿り着く 懐かしい場所の フェンスは 越えられなくて
窓から漏れた 灯りの中 冷えたそこに もたれた・・・


「どうしていないの!おねがい、あわせて!」
「あいつは逃げたと言っただろうが!」
「うそ!やくそく、したもん!」
「うるさい!お前はただ、歌えばいいんだっ!」
「もうやだあ!」
「くそ、もう今日は寝ろ!」
「あいつのことは、早く忘れるんだな。お前を捨てたんだからなあ!」


空の星に 願ったら 届くかな・・・
あの星が 流れたときには 願いが叶うかな・・・

同じ  見ていること  僕らは また    歌を 歌うよ
  月を       信じ       今日も 歌を 歌うよ
どんな  離れてても   ふたりは あの   繋がってるから
    遠く       きっと        歌で 繋がってるから



「明日はとうとう、【歌姫】のお披露目か」
「はっ、あれから16年・・・、時の経つのは早いもので」
「楽しみにしておるぞ」
「もちろん、陛下のご期待を裏切りませんとも」
「はっはっはっはっは・・・」


ねえ 君は今も あの日を憶えてる?
春の空 一面の花 契った小指も・・・

私も今は 強くなった もう君の後ろに隠れないよ
人形のような 役目でも 君に届くようにと 歌うから・・・

同じ国に 生まれたなら 手を繋ぎあって 共に立ち上がろう
私たちは もとはひとつ 声を揃え、歌おう・・・


少女は、国王の望んだ歌姫になりました
少年は、少女と交わした約束を思い出していました

「ずっと?おおきくなっても?」
「うん、ずっと、ずーっと」
「じゃあやくそく!はい!」
「ゆびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんのーますっ」


「あの、やくそくを・・・」

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投稿日:2009/05/04 13:55:15

長さ:02:58

ファイルサイズ:4.1MB

カテゴリ:音楽

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