「最低だ」って嘲笑ってくれ
愛に縋って動けない僕を
君の居ぬ間に寂れたcity
タクシーの光避ける深夜零時
小さく空いた心の隙間
そっと優しく埋める吟醸酒
囀る鶺鴒を横目に
一人佇んだ 街は今rainy

ただ待っていたって駄目ってさ
君の口癖を呟いたら
帳の降りた街角を
物憂げなjazzが漂うの
ハッピーエンドじゃないこと
僕に示唆する鉄の揺り籠
大人気のないステップで
踏切渡る影法師

一人二人消える街に
ぽつりぽつり降り出す雨
傘を広げ舌を打った
あの日よりも広く感じたから

「最低だ」って嘲笑ってくれ
愛に縋って動けない僕を
君の居ぬ間に廃れたcity
タクシーの光避ける深夜零時
小さく空いた心の隙間
そっと優しく埋める吟醸酒
震える左手を横目に
一人佇んだ 街は今rainy

絡まっている受話器のコード
解けないのは何故だろう
僕が君を思い出すから？
僕が不器用なだけだから？
バッドエンドになったゲームの世界は
きっとこんなだろう
そこには何も残らない
埃を被った思い出以外

泣いていたって変わらないのなら
どんな顔して歩けば良いの
道端誰かがはにかんだ
それに妬いてしまう僕が嫌いだ
長針が0で止まる刹那
こんな魔法が解けるのならば
僕は素直になれるのだろう
しかし僕が僕で無くなるだろう

「最低だ」って嘲笑ってくれ
最低だって嘲笑ってくれ
ねえ
僕の体とこの心が
深く藍色に染め上がるまで

「最低だ」って嘲笑ってみた
雫に紛れて涙が落ちた
驟雨だなんて物足りないや
君との溝を水で埋めてrainy
最低だって何でもいいや
もっと激しく抱いて蒸留酒
水溜りの上不格好に
一人踊り出す今街はrainy
明日もまたrainy
ずっとずっとrainy
東京はrainy