ついにあなたは死にました
友に刺されて死にました
驚いた様な顔をして
仰向けになって死にました

それを私は見てました
笑いもせずに見てました
泣かず怒らず悲しまず
じっと静かに見てました

やがてあなたは立ち上がり
自分の胸に手を当てて
辛さばかりのひとときを
嘆くことなく消えました

それを私は見てました
驚きもせず見てました
また同じだと呟いて
静かに立ち去りました

初めて出来た友人は
自ら毒を飲みました
若くて優しい先生も
自ら首を吊りました

たくさんの死を見ましたが
どれも心は痛めない
死への恐怖を失って
私は未だに行きている

最初の死者は母でした
ヘビに噛まれて死にました
お次の死者は父でした
車に轢かれ死にました

その次は兄が死にました
山で姿を消しました
そして私が死にました
体を残し死にました

私の体は動きます
脳も機能してはいます
しかし心が抜け落ちて
彷徨う私は死者のよう

これは冒瀆になりますか
それでもはっきり言いましょう
うまれておちて幾年月
"生を願う日はなかった"と

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

MHWB

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投稿日:2016/12/04 21:54:56

文字数:460文字

カテゴリ:その他

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