逆さまの傘のような
意味が無いようで意味が在って
意味が在るようで意味の無い僕の
そんな人生だと言ったら
君は笑ってくれるだろうか
腹を抱えるには足りないだろうけれど
ひと時の雨宿りに丁度いい話
降り注ぐ雨に話しかけるよう
僕の声を通り抜けて足下に集う
少し濡れた足先 躍る旅の始まり
今日は何も持たないで
冷たさに抱かれ駆けてみようか
瞬く閃光のように通り過ぎる水滴が
僕を貫くように濡らすだろう
計らずも咲いた竜胆に
そっと陰を落とす
藍色に暮れる貴女を憂いている
「描くならとびきり綺麗な方がいいでしょう」
淡く波打つ水彩で
見える端から子供のように
鉛色の薄曇り
しとど湿った土瀝青
色の無い世界も雨粒が煌めいて
僕を待つ影法師がひとつ
変わり果てる街で変わることのない光を探していた
貴女のように胸に降り注ぐ水滴が
心を温め解してった
緩やかに廃れていく心臓に
もう一度火を点す
止まない心音が伝わっちゃいないよな
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