女「男君っ!!」

男「もうそんな時間か」

女「秋といったら何でしょうか？」

男「また焼き芋食べたいのか？」

女「はぁー」

男「あからさまに溜め息をつくな」

女「食べ物のことばかり。男君、それじゃ将来メタボだよ」

男「前焼き芋って言ったのお前じゃねーか」

女「スポーツだよスポーツ!! 私も汗かいて痩せるからっ!!」

男「スポーツったって具体的に何するんだよ」

女「……テニスとか」

男「お前テニス部だったじゃねーか」

女「男君は軽音部だもんね。悪いけど文化部には負けないよ」

男「なら勝負するか？」

女「じゃあ私が負ける度に一枚脱いでくよ//」

男「誰得だよ」

女「じゃああれやりにいこっ!! えーと……スポッティー？」

男「スポッチャな」

女「それそれ!!」

男「すぐ疲れて帰るとか言うなよ」

女「言わないよ!! ちゃんとミッフィーちゃんになるからっ」

男「じゃあ出かけるか」

＊

男「着いたな」

女「あ、ボーリングしよボーリング!!」

男「お前ここにスポーツしに来たんじゃなかったのか？」

女「ボーリングもスポーツだよ」

男「まぁ、そういうことにしておいてやるよ」

女「男君もしたいんだもんねっ」

男「久しぶりだしな」

女「いいこと思いついた!!」

男「何だよ」

女「男君、ガーターだしたら一回につき『女、好きだよ』って耳元で囁いて//」

男「断る」

女「怖いんだ？ ガーター出すのが」

男「あ？」

女「出さなきゃいいんだから!!」

男「じゃあお前もガーター出す度になんかやれよ」

女「じゃあ……私が外したら男君にちゅーする//」

男「お前への罰になってねーよ」

女「てれやさん//」

男「……お前がガーター出したらその日数分だけ弁当作ってくれ」

女「任せて!!」

男「何でお前は乗り気何だよ」

女「愛妻弁当//」

男「……じゃあガーターの数×一週間、俺に会いに来るの禁止な」

女「私に死ねと言ってるの……？」

男「冗談だ」

女「男君も寂しいもんね」

男「うるせーよ」

＊

女「勝ったー!!」

男「……」

女「ふふー// 耳元で囁いてもらったしボーリング楽しかったし言うことなし!!」

男「普通に悔しいな。女なんかに負けるとはな」

女「この前会社の友達とボーリングに行った影響かな」

男「ずりーな」

女「これで気持ち良く次の競技にチャレンジ出来るね!!」

男「何やるんだよ」

女「テニス!!」

男「いや、バドにしよう」

女「えー、バドやるくらいならテニスやろーよー」

男「テニスは何となく負ける予感がした」

女「男君、勝負は負けか勝ちかの二択なんだぜ」

男「とにかくやりにいこーぜ」

女「あぁ、待って!!」

＊

男「余裕だな」

女「男君っ!! 私女の子だよ？ 少しは手加減とか出来ないのっ？」

男「手抜いたら抜いたでお前文句言うだろーが」

女「テニス!! 次はテニスしよ!!」

男「分かった分かった」

女「テニスだけは負けないっ!! テニスで負けたら私、何でも言うこと聞くよ!!」

男「ほう」

女「その代わり、私が勝ったら男君は一週間私のペットだから//」

男「じゃあお前負けたら、一週間俺のメイドな」

女「……ご奉仕しちゃうぞ//」

男「何言っても罰にならないんじゃないか？」

女「よし、やろう!!」

＊

男「マジで上手いな……」

女「もう少しで、男君が私のペットに//」

男「……狂気すら感じるな」

女「さぁ男君、打ってきなさいっ!!」

男「言われなくてもな」

女「ん、いいサーブ……ひゃん!!」

男「盛大に転んだな」

女「いたたた……」

男「おい大丈夫か？」

女「捻っちゃったみたい……」

男「すぐ冷やした方がいいな」

女「でも勝負が」

男「そんなのいつでも出来るだろーが」

女「後ちょっとだったのに」

男「俺の負けでいいから」

女「え？」

男「そんなのよりお前の方が大事だからな」

女「//」

＊

女「バスケとかもしたかったのになぁ」

男「捻ったんだから仕方ないだろ」

女「ごめんね……あ!!」

男「何だよ」

女「でもさっき男君、『俺の負けでいい』って言ったよね!? やった、一週間言うこと聞いてもらえる//」

男「……お前中々鬼畜だな」

女「勝負の世界は厳しいのだよ」

男「……」

女「最初の命令ね」

男「何だよ」

女「明日からもお仕事無理しないで頑張ってねっ」

男「……」

女「今日は凄く楽しかった!! 本当にありがとう」

男「……また行こうな」

女「うんっ!!」

Fin