夜の雨
星と月はずっと声を潜めたまま
暗いだけの夜に雨は降り続ける
音しか聞こえない雨の滴たちが
冷たい窓硝子 伝って跡になる
膝抱えうずくまった私の胸の奥も
この雨に包まれて染みができる
暗がりの中で零れていく一筋の何かなぞったら
指先に滲んで止まらない
言い出せなかった言葉
渡せなかった贈り物
記憶の欠片が濡れていく
少しだけ強がらせて
少しだけそっと泣かせて
今は雨が流してくれるから
星と月が夜に踊っていた季節
囁きを交わして重なり合った影
もう二度と紡ぐことのないまま
遠く淡く色褪せていくだけのお伽話
どうすれば続けられたのか
この夜の雨に痛いほど教わった今なら分かるのに
声が擦れて霞んで
あなたに届かないほど
それでも響きだけ残って
朝になれば雨もやむ
大丈夫 また歩き出す
だけど今は濡れたままでいたい
少しだけ強がらせて
少しだけそっと泣かせて
我儘な私を許して
声が擦れて霞んで
あなたに届かないほど
それでも響きだけ残って
朝になれば雨もやむ
大丈夫 また歩き出す
だけど今は濡れたままでいたい
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