歩道橋の上で ～君がくれたメロディ～


いくつもの季節が すれ違う歩道橋の上
変わらない景色に 行き先を告げず風が吹く
忙しなく流れる 日常のボーダー越えてく
君がくれたメロディ 口ずさみながら

想い結び 伝わってくる温もり 体中に沁み込むんだ
織り重なる笑顔で 輝く明日(あす)を迎えに行く
道を挟んだ歩道橋 階段下りる足音が
「あと少しだけ もう少しだけ」 言葉の代わり 刻まれ

指切りで交わした約束 「ずっとこのままでいようね」と
暮れてゆく太陽 背に
向こう側で手を振る君が 影絵のように揺れていた
名残惜しそう 沈みゆく今日が 僕の気持ち映し出して
世界中の誰より大好きな 君を見つめていたかった


いつもの歩道橋 いつもの帰り道を歩く
変わらない景色に 強い風がうなりをあげる
無邪気なその笑顔 裏腹 袖掴む指先
「バイバイ」こぼれ出す 声がかすれてた

君の手紙 滲み広がるインク 初めて聞く街の名前
置き去りにされたまま 時が音もなくすり抜けて……

道を挟んだその先に 君の姿はもういない
「あと少しだけ もう少しだけ」 唇だけでつぶやく

もう叶うことのない願い ずっとふたりでいたかったんだよ
遠ざかる昨日 繋ぐ
ふたりで奏でたメロディが 今でも耳の奥 残る
温かすぎて 胸にこみ上げて ひとりきり切なさ響かせ
世界中の誰より大好きな 君のもとに届ける

今ならわかる気がするんだ 飲み込めずにいた言葉を
「笑顔でサヨナラしたい」
これが最後のわがままだと 君の文字が泣き笑ってる
そっと目を閉じて 焼きつけておくよ 精一杯手を振る君を
どこよりも素直でいられる場所 ココだったと信じてる


いくつもの季節が すれ違う歩道橋の上
変わらない景色に 行き先を告げず風が吹く
君がくれたメロディ 空に近づき手を伸ばして
高らかに歌うよ どこよりも大切な場所で