「いくじなし」
長い長いこの坂道を登れば君の家が見える
自転車を押す横顔が夕焼け色に染まってく
一歩踏み出したいのに
いつもと同じ別れの時間
ぐっと抑えこんでしまう
笑顔で背を向けてバイバイ
夜の風がシャツを通り抜ける
いくじなしの僕をなぐさめるみたいに
まだ始まってもいない、分かってる
打ち上げ花火の残り香が寂しく漂っている
川原に座った僕らに、沈黙が訪れる
人ごみに紛れないように、そっと君に手を差し出す
ぎゅっと握ってたいのに
帰りの駅が近づいていく
二人の影を街灯が映す
重なっては離れていく不安定さに
心が透かされてるみたいだ
星の数ほどの言葉を並べて
試行錯誤を繰り返してたとしても
君の前では意味がないんだよ
手に入れてもいないのに
失ってしまった気分さ
夜の風がシャツを通り抜ける
いくじなしの僕をなぐさめるみたいに
まだ始まってもいない、分かってる
色々な思いが混じり合った
濁った絵の具のまんまでいいじゃないか
さあ君に伝えに行こう この気持を
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