【MEIKO】void【オリジナル】

「それはわからないだけなのか、わかろうとしないだけなのか、そもそも答えがないのか、わからない。」





今日は曇り空　色を吸われた日常
音だけがその輪郭を残してゆく
昼に見た夢は　モノクロカラーの世界
現実と夢の狭間が壊れてゆく

時間の流れは感じられない
そうさせているのは自分自身
目の前に広がる存在の意味がわからない

難しいことを無意味に書き連ねたんだ
何かを誰かに伝えようとして
だけど意味を持たない文字の列は
音も無く灰色の中に消えていった


僕はいつからか　上を見なくなっていた
止まることを知らぬ空が怖くなって
昨日描いた絵は　未だ未完成のまま
きっとこのまま僕が死ぬまでずっと

心にあるのは深い虚無感
ぽっかりと空いた大きな穴
何で満たせば埋められるのかわからない

誰かを愛して愛されようとしたんだ
自分自身を取り戻そうとして
だけど止まり続けた時間の中に
愛し方を置き去りにしてしまっていた

大声で叫んでも　　涙を流しても
失ったものはどこにも帰ってこない
何度振り向いても　何度手を伸ばしても
過ぎた時間は誰にもやり直せない


自分の正義を意固地に突き通したんだ
間違ったことをしないようにして
だけと何が正しいか知らぬ僕は
自分も他人（ひと）も傷つけてしまうばかりで

精一杯ありのままを口にしたんだ
何かを誰かに伝えようとして
だけど音にならない言葉だけは
はっきりと灰色の中に影を残した