昨夜に空々と廻る僕等の音が
陽炎に消えて行く
夏を只々裸足で駆けては
あの日忘れた夢を描くだけ
今も散漫な感情を置き去りに
聞こえないと云う聲が聞こえて
散々な日々の中
僕等線路に沿って歩くだけ
嗚呼寄り返すは波と
遠く響く花の咲く音に
空高く鳥の落とす羽が
僕等を其処に引き止めた気がしてた
悲、悲、奏でひぐらしの哭く聲が
空に、空に響くまで
畦道を君と並ぶだけで良かったのに
なのに
簡単な解すら御座形に
離せない筈の手すら離して
安閑な夏の儘
時が遠路に舞って揺れるだけ
未だ繰り返す花火と
薄ら月と雲を眺めては
街並み夕陽の落とす影が
僕等の罪を赦してる気がしてた
過ぎる儘に掻き消されては
夏が、夏が終わるだけ
なのに
夕顔が覗く空の未熟さが
僕等を映す鏡の様で
涼風吹く夏の情景に
君の姿を重ねて
また
空々と廻る
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