ねえ、こんなオモチャみたいなさ
丸いレンズ越しの風景
僕の水晶体とレンジ、光量、なにもかも違う
ふちをなぞる指の陰影
触れた温度は残らない
僕ら並べた時間、きっと、インスタントフィルム
切り取り 吐き出し 偽り 写して
この35mmに 刻んだものを教えてよ
暗い景色の中で君だけが まるでトンネルの先にいるかのように
何度だって写したくて またこのフィルムを巻き上げた
いつか巻き戻すために散らかし まるで永遠の先にいるかのようで
そろえた穴から落ちていくよ 仕舞いこんだらさよなら
時を止めて
ねえ、小さな箱に押し込んで
思い出で枠を作って
色褪せていく速度、ノイズ、現像、ひとさじの憧憬
伏せた目では光らないよ
離れた場所は見えないよ
二人重ねた時間、きっと、インスタントフィルム
静寂 ひととき 哀れみ 写して
この35mmに 刻んだものを教えてよ
暗い景色の中で君だけが まるでトンネルの先にいるかのように
何度だって手を伸ばして またこのフィルムを巻き上げた
白くぼやけて濁る街灯り まるで想像の先にいるかのようで
古びた物から朽ちていくよ 仕舞いこんだらさよなら
時を止めて
時を止めて
薪をくべて 燃やしてしまえ
暗い景色の中で君だけが まるでトンネルの先にいるかのように
何度だって写したくて またこのフィルムを巻き上げた
二度と巻き戻せないと気付いて まるで一瞬の意味を知るかのようで
愛したものから溶けていくよ 仕舞いこんだらさよなら
時を止めて
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