アスファルトの 蜃気楼(ミラージュ)に
昼の残滓が 滲んでいく
風鈴の 余熱だけが
掌にまだ かすかに震えた
遠いサイレン 波形の尾を引き
酸いも甘いも ノイズにほけ
夜空へ放った 指先が
星座未満の 火花を描く
止まりかけた 秒針を耳で数え
ページを折るように 心を折り返す
ほんの少しだけ 未来の匂い
次のビートを 誰より先に踏もう
リブートの名を借りた ささやかな祈り
脈打つ回路を 胸骨で抱え込み
透きとおる 夏の裏側で
まだ見ぬ明日が 呼吸を始める
街灯はアンバー 舗道はブルー
淡い二進の グラデーション
濡れた髪から 滴る
無数のエックスが 踝を叩く
ざらつく声で 名前を呼べば
返事の代わりに パルスが跳ねた
ふたりの影を ポケットに隠し
誰も見たことのない テンポで歩く
擦れ違うドローンが 軌跡を撚り合わせ
夜のフレームレートを ひと息で越える
遠回りすら メロディに変え
孤独のフォルダを そっと空に放つ
リプレイでは届かない 決定的な瞬間(とき)
澱んだ鼓動を あえて高鳴らせ
零れ落ちた 「もしも」を集め
未完成の歌 君と歌い継ぐ
リブートの鐘が鳴る 遠い夜明け前
再生と破線の 境目で踊れ
薄明の風が 髪を解いたら
まだ名もない季節を 抱きしめに行こう
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