女「今日は寒いね」

男「いよいよ秋本番って感じだな」

女「男君、今何て言いましたか?」

男「……いよいよ秋本番」

女「それだよっ!!」

男「なんだよ」

女「秋と言ったら男君は何を連想しますか!!」

男「スポーツとか読書……」

女「分かってないよ男君、分かってない!!」

男「じゃあ何だよ」

女「秋と言ったら焼き芋でしょ!!」

男「……焼き芋食いたいのか?」

女「うん」

男「なら買って来いよ」

女「男君今日暇?」

男「お前が来てから忙しくなった」

女「じゃあ時間は大丈夫だね」

男「焼き芋を買うくらいなら1人でいけるだろ」

女「ちっちっち。甘いよ男君。買うんじゃなくて焼くんだよ」

男「……は?」

女「公園で焼き芋しよう!!」

男「何を言い出すかと思ったら……」

女「名案でしょ?」

男「公園でたき火等の行為をするのは禁止だ」

女「ええっ!?」

男「焼き芋とかはキャンプ場を予約してやるんだよ」

女「嘘だっ」

男「条例で禁止されてるんだよ」

女「そんなぁ……」

男「残念だったな。諦めて買って来い」

女「でもキャンプ場なら出来るんだよね?」

男「それでも場所は限られるけどな」

女「……やろうよ、焼き芋!!」

男「だったら普通にキャンプするだろ」

女「そのままお泊り//」

男「2人でかよ……」

女「いいじゃん!!」

男「だったら普通に旅館に泊まった方がいいだろ」

女「そうだよねぇ……」

男「焼き芋はナシだな」

女「……分かったぁ。じゃあ帰るね」

男「あ、ああ……」

バタン。

男「ホントにしたかったんだなアイツ……」

男「……ちっ」

        *

一週間後。

女「え、今何て言ったの!?」

男「今日お前休みだろ。焼き芋しに行くぞ」

女「で、でも出来ないんじゃ……」

男「お前が帰った後、予約入れといた」

女「また私のわがまま……」

男「そんなウジウジしてるんだったら連れて行かないぞ」

女「……ありがとう」

男「ほら、行くぞ」

女「うん!! 焼き芋焼き芋♪」

男「焼き芋結構時間かかるから、女何か料理作ってくれ」

女「任せて!!」

男「よし、じゃあ車乗れ」

女「あ、今日は私が運転するよ」

男「大丈夫か?」

女「私だって結構アクティブなんだから!!」

男「危ないと思ったらすぐ変わるからな」

女「男君はぐーすか寝てて大丈夫だからねっ!!」

男「起きたらあの世とか笑えないからな」

女「大丈夫。死ぬ時は一緒だよ」

男「それ今言うセリフじゃないだろーが」

         *

1時間後。

女「着いた!!」

男「んじゃ、始めるか」

女「まずは枯れ葉集めだねっ」

男「俺が集めてくるからお前は鍋作っててくれ」

女「らじゃ!!」

男「んじゃ、行ってくる」

女「行ってらっしゃーい」

女「ふふー。男君に料理とか楽しいな」

女「美味い!! 女、やっぱお前の料理最高だ!!」

女「そんなことないよ//」

女「結婚しよう……」

女「……はい」

男「何一人でにやけてる」

女「内緒♪」

男「とりあえず集めて来たぞ」

女「こっちも野菜切り終わったよ」

男「もう煮込んで平気だぞ」

女「了解しましたっ」

男「んじゃ焼き芋始めるか」

女「お芋もアルミで包んだよ!!」

男「じゃあ火つけるぞ」

女「手で起こすとかしないの?」

男「せっかくチャッカマンあるんだからいいだろ」

女「風情がないね、男君は」

男「じゃあお前やるか?」

女「え、遠慮しておきますっ!!」

男「……よしっ。これで大丈夫だな」

女「どれくらいで焼きあがるの?」

男「30~40分くらいか?」

女「ええっ長いね!?」

男「大体だけどな」

女「じゃあ先に鍋食べちゃおうか。はい、男君」

男「おおサンキュ」

男・女「いただきます」

女「どうかな?」

男「うまいな」

女「お嫁さんにしてくれる?」

男「……」

女「何で黙るのっ。あ、よそるよ」

男「おおサンキュ」

女「焼き芋焼けたかどう確かめるの?」

男「楊枝を刺して中まで刺されば大丈夫だ」

女「へぇ……。あ、そろそろ雑炊にしちゃおうか」

男「あぁ」

女「ん、ちょっと待っててねっ。はいどうぞ」

男「ん……うまいな」

女「えへへ// 男君に褒められたら嬉しいな//」

男「あ、焼き芋出来あがったぞ」

女「ほんと!? 食べたい食べたい!!」

男「ほら、熱いから気を付けろよ」

女「分かった……あついっ!!」

男「だから言っただろうが」

女「でもいいにおい!!」

男・女「いただきます」

女「熱いっ!! でも美味しい!!」

男「何か自分で作ると美味く感じるな」

女「男君あんまり料理しないもんね」

男「お前がいるからな」

女「ふえっ?」

男「え……あ、別にそういう意味じゃ」

女「えへへ//」

男「おいくっつくな」

女「焼き芋で体がほくほくだけど心もほくほくになったよ」

男「……」

女「男君、ありがとう」

男「今回だけだぞ、付き合うのは」

女「そしたら私も男君に料理作ってあげない……ってそんなの嫌だ!!」

男「何を一人で盛り上がってる」

女「何でもないっ」

男「じゃあ今日は帰るか」

女「今日は本当にありがとう!!」

男「気にすんな」

女「……」

男「どうした?」

女「なんでも……ない」

男「……行きとは違う道で帰るか?」

女「え、うん……」

男「結構遠回りになるけど、いいよな?」

女「……!! うん!!」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【SS】 9 焼き芋

ツンデレ男とひたむき女のほんわか話。
今回女が言いだしたのは『焼き芋がしたい』
駄々をこねる女に男は……?

閲覧数:31

投稿日:2010/10/23 12:14:26

文字数:2,353文字

カテゴリ:その他

クリップボードにコピーしました