閉ざせし夜の帷よ
わたつみより黒く
よどみなき風の音は
瞬きを誘う
語り尽くしても
未だ果てぬ夢に
せせらぎ冷たく流る
あの宙の舟
刻は満ち光の中に
幾千の幾億の感傷を沈めて
鳥の飲まれた闇の中に潜む全て
語り尽くしても
未だ果てぬ天に
ちりばめた星が濡れる
雲の中振り回す腕(かいな)の空ろさは
夜の海原漕ぎ出した切ない小舟
捕まえて掴もうとして空を切る
ただひたすらに捧ぐ祈りの中揺れる
あの宙の舟
刻は満ち光の中に
幻に似て遣る瀬無い今を儚む
進めない言葉捨て去り道を偽り
何もないからだひとつでたゆたえたなら
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