昨日から降り続いてた 泣き虫な雨は
昼にはもうあがって 虹が掛かっていたんだ

線路沿いの狭い小路(こみち)を抜けた先に
広がる世界は何かを語りかけるように
優しく囁く

吹き抜けた風に ふと足を止めた
茜色輝く情景にいつしか
涙が零れてた

黄昏に揺らいだ心を溶かす
遠き日の残像を
幾万の華やぐ鏡の中へと導いて
夕陽を背に伸びる影が陰を映し出すように
記憶と心を繋いでく


何度も 繰り返した過ちと後悔は
とっくに拭い切った筈なのに
世界は今日も変わらず変わり続ける
立ち止まってしまった
あの日の僕なんて 気にも止めない儘

目に見えるモノは遠避けて
見えないモノだけを受け入れて
数え切れない程 喪った"ナニカ"
いつも通りの日々なんて
当たり前じゃないのにね
解っていた筈なのに…

夕刻 凪いだ宙
夏陰 淡い記憶
酷く濁った心を洗い流すように
優しく包み込む

茜射す空 過去 現在(いま) 未来
見据える世界は
幾万の華やぐ鏡の中へと導くだろう
夕陽を背に伸びる影が陰を映し出すように
滲んだ記憶と想(こころ)を繋いで
世界の果てへと紡いでく