【重音テト】愛されなかったお姫様

愛されなかったお姫様　あるいは王子様の歌です


【歌詞】

「生まれてこなければよかった」
それは私の言葉でしたか
あなたの言葉でしたか

体が弱く　心も弱く
賢さを持たない私は
あなたのお気に入りになれなかった

必死に必死に　何度も伸ばした
振り払われても　手を伸ばした
あなたは最後に　こちらへ手を伸ばし
そして突き落とした　奈落の底へ

落ちてゆく　逆さまの世界の中で
どうして私は生まれたんだろう
答えなんてない　きっとどこにもない
ごめんなさい　ごめんなさい　ごめんなさい


「大丈夫　こちらにおいでよ」
いくつもの同情と思いやりが
私の命をつないだ

弱い体に　弱い心に
善意の愛情を注がれ
私はもう一度　歩み始めた

上手に笑えるようになったけど
夜に訪れるあの悪夢は
絶えず繰り返し　この胸を蝕む
上手な泣き方は　わからないまま

好きだよ　だけどいつか嫌われるなら
最初から手を離していたほうがいい
突き落とされる恐怖に怯えるなら
はじめから　いらないよ　いらないよ


だけど今　伸ばされる手は
ひたむきな愛に満ちている
痛みを　傷を　苦しみを　汚さを　醜さを
全部さらけ出して　縋り　叫んだ


こんな私を
受けとめてくれる人がいる
ねえ　私はここにいてもいいの
差し出された手のひらにある感情に
戸惑って　震えてる　雨の中

見渡した　この広い世界の中で
どうして私は生きているんだろう
答えは見えない　だけどいつかわかるかな
君となら　君となら　この先で


愛されなかった私は
君を愛してもいいですか
愛されなかった私は
君に愛されてもいいですか