霧の中で 獲物を捉えよ
「それ」は誘う娘の如く
嘲けりながら遠ざかっていく
淀む事なく 二の矢を番え
刃の切っ先 かけても怯むな 身の程知らぬ ムスタングのように
闘え 祈りと 救いの 言葉を 唱えよ
神への懺悔を
刃を 戦士の 誇りと 血に染め 叫べ
世界は お前を望まぬ 小さき 虫けら 救いはないのだ
お前の つまらぬ 歌など 誰にも 省みられない
愚かで つまらぬ 虫けら それでも
叫ぶぞ 存在証明 弛まず 恐れず
進むぞ 讃えよ 我を
幾多の 仲間が 姿を 消しても
とめどなく 溢れる 衝動
翼を持った騎士共が 黒い影落とし空隠す
躊躇う事なく 突き進め 未だ見ぬ先の 地平の果てに 何がある
奪われた日の 恥辱は拭えず
それは湧き出すマグマの如く
汲めども尽きぬ 問いを発する
諦め台詞を 食いちぎっては
罷り通せよ 矛盾と理不尽
慄きながら 捻じ伏せてゆけ
敗者の 哀しき 泣き言 虚しく 神すらその耳塞いで
消えゆく 届かぬ 誰にも 届かぬ 「叫べ!!」
世界は 無慈悲にまわるよ つまらぬ虫には 救いはないのだ
お前の くだらぬ 歌など 誰にも 望まれなどせぬ
泣くのだ つまらぬ 虫けら 悔やんで 消えない 存在証明
ひたすら 孤独に 向き合え 見出せ 己
流転の 果てには 全てが 消え失せ
ただ一人 残るは 我
翼を持ったブリュンヒルデは白い手を伸べ空へ導く
憂いを切り捨て 突き進め まだ見ぬ世界
約束の地は 何処にある
何故にお前は疾る
力弱く哀れに
救いなき定めを受け入れて
永眠れ(ねむれ)
出来損ないよ
定めの刃
喉を切り裂いて
我は堕つる
敗者の詩は
記憶に残る事なく
露と消える
赤き血溢れて 決めたる覚悟に 突き刺さる刃は 塵のよに僕を消す
それでも僕は歌い続ける
例え誰にも望まれずとも
響いた歌声 いつしか空に満ち
まだ高く
その手が君を 彼の地へ招く
あの天(そら)へ
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ボカロ交響詩「ブリュンヒルデとムスタング」第4楽章~冥府への旅~
(1から3楽章は現在製作中です。完成次第アップさせていただきます。)
・・・戦功を夢見た小さな戦士は、戦火の中で己を知る。その魂を救い上げてくれる存在はあるのか。
ボカロ8名を歌い手としたオーケストラ作品を目指しました。
一部、音楽とストーリーに、大作曲家リヒャルト・ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指輪・第二部・ワルキューレ」からの引用をさせていただきました。
作詞作曲:multi1100
twitter: @Multi1100
ピアプロ:http://piapro.jp/multi1100
MIX&マスタリング:Yield-S
twitter:@Yield-S
http://nicovideo.jp/mylist/60115712
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