『少女01の生涯』
彼女は普通の女の子。
普通、故に可愛い可愛い女の子。
そんなある日、彼女は右から左へ流すように男に捨てられて、自己を失ってしまいました。
こんなにこんなに苦しくて悲しいのに、世界は無くならない。
自分の身体が朽ちることもない。
この身を切り裂くような悲しみには、そんな大きなものどころかこれっぽっちの価値もない。
そのことを彼女は悲しみの続く中で知りました。
だということを理解しても、悲しみは消えません。
だから彼女は考えて考えて、考え抜いた末に地に根を生やし、いつしか木となり、地に蔓延る血を養分に、
「綺麗な花を咲かせるの。」
彼女の痛み、苦しみ、悲しみは、朽ちた花となり、彼が死んだ後も、人が皆死んだ後も、枯れることはありませんでした。
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