色を変えた　あの思い出は
消えない　夢紅葉

陽が落ちて　薄茜色
夏の終わりと共に
喧騒も　まるで夢のよう
過ぎた日々が揺蕩う

あなたと歩くこの道
穏やかに　密やかに
他愛のない与太話
なによりも楽しくて

夢紅葉　今宵の空は
永久（とこしえ）に続く泡沫
舞い落ちゆく　朱に染まること
秋の月夜に願う

静けさに　耳をすませば
鈴の音と草の声
移りゆく　時の流れに
心地よい風が吹く

あなたと立ち止まる道
三日月が見下ろした
どこにでもある幸せが
なによりも嬉しくて

夢紅葉　今宵の空は
いつか見た　約束の景色
芽生え息吹く　新緑の葉を
赤く月日が変える

夢紅葉　枯れることなく
過ぎた日の秋空を繋ぐ
果てのない旅路進むなら
浮かぶ月が満ちゆく

夢紅葉　季節は巡る
散って咲いて紅く染め上げ
終わらない物語の園で
次の夢を彩る
消えない　心の色は