雑踏の街の中に溶け込んだ私は
迫る同調の波に今日も背中を押されるだけだった
苦しさも何もないと嘯いたあの日を
責めるほどの気力もないまま歩いた
積み上げたものなんてきっと価値のないものばかりと
騙せなかったずっとずっと誰かの声がうるさくて
私は
私は何もいらない いらないから
こんな今日の余白も捨てたいくらいだ
私は何も知らない 知らないまま
この世界から逃げたい
どんなちっぽけな記憶も壊して
憂鬱な朝も何もなくなってしまえば
頭を廻る人の声も言い訳にはちょうどよかった
正しさで首を絞めたうつろ目の群れなど
今となってはどうでもいいことばかりだ
吐き出せなかった今日もきっと何かの意味があると
思えなかったずっとずっと誰かのようになれなくて
私は
私は何も言えない 言えないから
使い切った心も気付けなくなった
私は誰も知らない 知らないような
孤独だって拭えない
こんなちっぽけな痛みが邪魔して
誰の声すら聞こえない
街の光すらも見えない
私はもう何も触れないように生きたい
でも望んだ人生は買えないから
不安も運命も消えないまま
振り絞るように日々を濁していた
私は
私は何もいらない いらないのに
空になった自分も許せなくなった
私はいつか癒えない 癒えないこの
心だって愛したい
どんなちっぽけな痛みも剥がして
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