白い光の中
私は目を覚ます
暖かい時間が
動き出す

平和な小国の王
その娘の私
誇り恐れ抱き
生きていた

「愛されし国の姫、共に在れ平穏よ」

運命が描く輪の中
舞い踊る私の胸で
鳴り響くこの鼓動がいつか
止まるまで平和よ続け

それが私の　小さな願い


隣国の姫君
優しい初恋の人も
大切な人たち
守りたい

でも唯の少女の
願いは残酷に
砕かれる宿命
崩れてく

「戦渦は燃え広がり、希望をも焼き尽くす」

戦争が描く死の腕
襲い来る国民が
嘆くのはどんな恨みなのか
聞こえない　けれど背を向け

「逃げろ」と言った　国王に従い
城／白を後にする……


荒れた大地を踏みながら
隣国の姫君はどうしたのかしら
優しい初恋の人は無事なのかしら
願うことしか出来なくて

無力を呪い（無力を呪え）
権力を呪い（暴力を呪え）
己を呪い……（己を赦せ！）


「狂おしき女王様、この地で目覚め給え！」

「愛された国の姫、共に在れ狂乱よ」

運命が描く輪の中
逃げ惑う私の腕を
引いたのは一人の男で
「味方だよ」そう囁いて

任せた身は　地上を離れ

運命が描く輪の外
舞い踊る私の中で
消えていく意識と代わって
赤黒い脅迫観念が生まれる

それが私の　最後の記録