ジャケット

下らないと呟きながら 縋らずにはいられない
悲しい御伽の伝承(フォークロア)
その肉を食らったのなら 私の短い蝋燭も
永劫の時を刻んで 痛みもいつか忘れるでしょう


街外れの小高い丘に 佇むは主亡き城
呪われた人魚姫が 住まうと言うはこの地の伝承(フォークロア)
その姿をしばらくは 見た者は誰もいないが
その娘は不老不死の 妙薬だと人は言う

金と欲に汚された 廃屋に姿はなく
物悲しい海風だけ 私の頬をそっと撫でる
この魂貴女にあげる だから私を救ってよ
海の底に閉じ込めて さぁ一緒に眠りましょう


下らないと思いながら 恋のように焦がれる夜伽の物語(フォークロア)
夏の日差しに照らされて 魘され燃える蝋燭の
この痛みがまだ続くなら 風よ私を吹き消して
眠れぬ夜が終わるように 波の下へ沈めてよ




一人雨に打たれながら 見下ろした大海原
海の底に沈んだなら 痛みさえも眠りにつく?
海に飛び込む寸前に 私の腕を引いたのは
一つの約束のために 一人残された人魚姫

貴方は変わらぬ姿 長い時を一人遊ぶ
海へ帰れば約束が 泡と消えてしまうから
眠る人が巡り来るまで 一人ここで待つと言った
その健気さに恋をした だけど私じゃ呪われない?


下らないと泣きながら 立ちはだかるは謎の伝承(フォークロア)
永遠など要らないわ 貴方だけを手に入れたい
赤い蝋燭削り通い詰める内に忍び寄る
二人に迫る不吉な噂話(フォークロア)確証などまるでないのに
 
「その涙は宝石に」「肉を食らえば永遠に」
「見せ物に」「妙薬に」「媚薬」「愛しい娘の身体のため」
下らないと叫んでも 言葉届かない迷信の渦(フォークロア)
「どうか海へと逃げて 命あっての恋でしょう?」



「海へ帰れば呪いは消える 生き延びられはするでしょう
でも命巡らずこの魂も 泡沫の夢に消え果てる」
「貴女は優しい人 長い時を忘れさせた
そのお礼を今しましょう 本当かはわからないけど」


二本の足は飾りなの? 貴方は微笑み動かない
願い事を託すように 星に手を伸ばすように
下らないわ人間なんか 踊らされるは迷信の類(フォークロア)

永遠など要らないわ 貴方誰にも渡さない
欲に目が眩んだ者達 奴らに与える位なら
私が食べてあげましょう 永遠に語り継ぐわ



巡り巡ってあの人の傍に貴女が行けるまで
正しい言葉の道しるべ 歌い示し残しましょう
この胸が痛みが刻む 慟哭こそ永遠ならば
私だけは忘れない 優しい人魚の伝承の歌(フォークロア)


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ライセンス

  • 非営利目的に限ります

優しい人魚のフォークロア~Merrow's folklore~

海神の娘続編。曲完成してからぱっと浮かんで命名したタイトルがどっかのラノベみたいなタイトルで吹いた。
帰省からの帰り道になんか閃いたので、海神シリーズは単発曲のつもりが三部作になりました。

人魚の伝説と、病に冒された少女の話。
騎士との結婚で人と同じ魂を得たものの、海神の娘は呪いのためにその愛を拒むようになる。人と人魚の寿命の差で、先立つ騎士にとうとう思いを伝えるも時既に遅し。死んだ愛する人の転生を、一人待ち続ける海神の娘。
長すぎる寿命のせいで外見もなかなか変わらず、次第に街の外も出歩けなくなり、寂れた屋敷に息を殺して隠れ住む。
その内に嘘と真から作られた人魚の伝承がまことしやかに囁かれ、金儲けを企む人間達が跋扈する。人魚なんかいるはずない。いたとしてもそんな物で不老不死なんてなれるはずがない。噂話を否定する少女は、病の苦しみから海に飛び込もうとするも……人魚に助けられ、その存在を目の当たりにしてしまう。

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投稿日:2011/08/18 01:29:39

長さ:08:31

ファイルサイズ:19.5MB

カテゴリ:音楽

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