「…」

マスターは、家に帰ってから一度も口を開かない。

…困ったものだ。

「マスター…ちょっと覗かせてもらうよ」

私は、右腕をプログラム化に戻して、マスターの胸に刺す。

流れて来る情報をリアルタイムで処理して行く。

「情報が溢れ落ちてる。これは、結衣じゃないと治せないかなぁ?それか梓」

私は腕を抜き、実体化させる。

「とりあえず、寝かせようかな」

意思の無い人形のようなマスターを運ぶ時、微かに聞こえた。

「お父さんとお母さんのデータ…壊さないと」

データとは言え、自分の両親。
辛いはず…だよね?

「今は、寝て?少しの間で良いから忘れて?」

有紗は暗示にかかったかのように眠りに落ちる。

「さて、帰って来たみたいだね」

茶の間に向かう。

「お、和音。有紗の様子どうだ?」
「精神的にショックを受けてる。医者のアンタじゃないと、どうにもならない」
「そうか」

梓はマスターの部屋に入る。

「…」

私は世界が回転したのに驚いた。

「大丈夫か?」
「…すまんな、アカイト」
「別に?お前もマスターのボーカロイドだからな」

意外と素直じゃない奴だな。
いじるの楽しそうだな。



マスターは、一週間で治った。
でも、安心は出来ないそうだ。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

闇にレクイエムを___心の傷

和音視点で書いてみた

なんか難しいなぁ…

閲覧数:147

投稿日:2010/02/27 00:03:24

文字数:539文字

カテゴリ:その他

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