いつも二番手だった
ベンチから見つめていた仲間たちのいるグラウンド
あいつからポジションを奪えなかった
あのボールがどうして取れなかったんだろう
グラブの手入れは欠かしていなかったのに
あと一歩いや半歩だけ踏み込んでいたら
思わず声が出てしまった
見逃してしまったあの変化球
せめてバットを振って終わりたかった
今日は楽だと思っていた
次の試合の事を考えながら投げていた
そんな明日など約束されていたわけでも無いのに
まだまだ間に合う
そう思って飛び込んでいった
周りが見えていなかった
吸い込まれていく
なんの気なしに投げたボールは
どこまでも遠くへと飛んだ
回してくれと願っていたのに
自分の番は来ないまま
ネクストバッターズサークルに立ち尽くす
ベストを尽くしていたのか
幾度となく自分に問い掛けてきた
もっとやれたはずだったのでは
夢を追うなんて綺麗事は云わない
あの日の自分をただ追うだけだ
そして追い抜きたいだけだ
悔いを残した者たちが
それぞれの中にある何かを求める
想いや願いのありったけをボールに乗せて
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